公式/沖縄県那覇市で小学校・保育士・特別支援学校の免許資格を取得できる専門学校(昼・夜間コース)「知的障がい児の幸福」 | 那覇市にある教員免許取得の専門学校(夜間コース)|育英義塾

「知的障がい児の幸福」 

2019/02/02(土)

育英義塾教員養成学院は、明星大学通信教育部との教育業務提携で特別支援学校教諭1種免許状を取得することができます。

今回は、特別支援学校教諭免許状を取得希望の皆さんに、その道の専門家である大沼直樹先生の障がい児教育への思いをご紹介したいと思います。

「知的障害児の幸福」  
特別支援学校教員免許コース:大沼直樹先生(琉球新報7月1日掲載)

 重度の知的障がい児の受け皿がないことが動機となり、彼らとその支援者を支援する「遊び場・なんくる~」が結成され20年を迎えた。(琉球新報6月14日付け)
 宮里代表は「同じ経験をしている者同士だから、本音で話せる。体制が整い始め、受け皿が増えた」と述べた。代表らの努力に敬意を表したい。
 長年、重度の障がい児を担当していた私は、保護者が「受け入れている施設もないし、私たち両親が亡くなったあとの将来が心配だ」と話していたことを思い出す。
 近年、海外のICF(国際生活機能分類)や「障がい者の権利条約」の影響を受け、障がい児(者)に対する理念や制度は、大きく変化した。しかし、重度の障がい者の就業という視点は、抜け落ちたままである。確かに、競争と能力主義という現実がある。しかし「働きたくとも働けない」子どもたちが、存在することを知ってほしい。
 彼らの幸福には、共存社会の現実と、家庭や地域のみならず、行政による人的、財政的支援が不可欠と思われる。

「特別支援学校共生の基礎に」  
特別支援学校教員免許コース:大沼直樹先生(沖縄タイムス7月11日掲載)

 県立ろう学校は、公立の普通学級に通う聴覚障がい児を対象に、体験授業を毎年公開している(6月20日付)。これはマルチ・トラック型のインクルーシブ教育の一環といえる。
 インクルーシブ教育は共生社会の基礎となるもので、日本の将来にとって重要な視点である。国連は障がいの有無にかかわらず、同じ空間で共に学ぶフルインクルージョン型を理想としている。
 しかし、個々のニーズを大切にする障がい児は、集団的枠組みで効率化を促す教育的土壌の中で阻害されてきた歴史があり、世界の多くは、特別支援学校や通級等、多様な場を活用したマルチ・トラック型を通して、皆が共に学べる理想の学校を目指している。
 沖縄ろう学校をはじめ全国の特別支援学校は、地域との交流教育を毎年実施しており、共生社会の基礎をじっくり固めていく努力を続けている。
 これからも、こうした地道な実践をマスコミもできる限り取り上げてほしいと切に願う。

「健気に生きる」
特別支援学校教員免許コース:大沼直樹先生(琉球新報2月9日掲載)

 一斉画一的というより個に応じた「分かる授業」が行われているという白川小学校に心から拍手を送りたい。(琉球新報2日付け)
 私は青森、東京、大阪、沖縄など勤務先を転々とし、多くの特別支援学校の授業を見てきた。10年前に鏡が丘特別支援学校の授業を参観し、その質の高さに感動した。
 支援学校には、人間形成の「基盤」を育むことを目的とした「自立活動」という特別な領域があり、見る、聞く、体を動かす等、いわゆる遊び学習(感覚運動教育)が重度・重複障がい児を対象に展開されていた。
 先生方は子ども目線で「~しましょうね」と沖縄独特の言葉かけをしながら優しくかかわっていた。子どもたちの生き生きした表情や手足の動きから、懸命に生きようとする息吹が伝わってきた。
 支援学校では、自己表出が困難で、発達段階が1歳前後の感覚運動期の子ども達も健気に授業に参加しているということを多くの人に知ってもらいたいと思う。

 

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